「風車」-第三号(一九七八年七月)
六月十二日の宮城沖地震は、一見頑強そうに見える現代技術とそれにがんじがらめにされた都会生活のもろさを、改めて教えてくれた。
それにつけても、日本でも有数の地震地帯である福島や茨城に原子力発電所が集中しているのも気になることだ。
震度五の地震で原発はどうなったかと気にかけていたら、奇妙な現象にぶつかった。この地震では、原研大洗の材料試験炉以外どこの原子炉もスクラム(緊急停止)しなかったという。一部の新聞では、福島や東海の原発が「ビクともしなかった」と、誇らしげに報道されている。
しかし、震度五の地震でスクラムしないことが、果して誇るべきことだろうか。安全性の考え方からすれば、むしろ止まるべきときにちゃんと止まってこそ、安全装置が健全に働いているというべきだ。
「震度五ぐらいの地震」では止まらないような運転をしているとしたら、その方が問題である。ましてや、福島原発では、昨年の事故以来、原子炉圧力容器の給水ノズルコーナー部を二十五ミリも削ったままで無理な運転をしている。
安全についての考え方を変えないと、とりかえしのつかない大事故を招くことになろう、と警告しておきたい。(高木)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:04