2004年01月21日

「風車」-第四号(一九七八年八月)

「風車」-第四号(一九七八年八月)

 第二面の記事のように、通産省と科学技術庁は、美浜一号の燃料棒破損事故に関して、政治決着をはかってきた。

 しかし、この決着のもとになった報告書は、ずさんきわまりないもので、かえって、「燃料棒の一部が溶融していたのではないか」という疑惑をつのらせる効果をもった、不思議なシロモノである。

 この報告書は、事故の際に欠落し、原子炉内をまわっていたと想像される燃料やジルコニウム被覆管の回収状況と今後の運転への影響について述べたものであるが、その一部を紹介してみよう。

 曰く「ジルコニウムについては折損量を上まわる量が回収確認されたことになるが、これは主に燃料棒の酸化ジルコニウム被膜のはく離によるものと思われる」

 余分なジルコニウムが八キログラムも発見されたとなると、被覆管はいたるところで酸化し、ぼろぼろになっていたということらしい。

 曰く「核燃体C―34内部のペレット片の存在の確認については、……その損傷状況からみて、なおその調査にも限界があり残余のペレット片が存在している可能性が残っている」

 結局、燃料体の損傷状況も十分把握できていないのだ。それで、どうして「溶融はなかった」などと言えるのか?

 そして結論に曰く「今後の運転において残留折損燃料棒片の存在が安全確保上支障となることはないと判断されるが、仮に固形物であると仮定して、折損燃料棒片が支持各子部にひっかかった場合の限界熱流束比……等を検討したところ安全確保上支障となるような結果は得られなかった」

 根拠はなに一つ示されていないが、ともかく安全という結論になるのだそうな。(高木)

Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:06