2004年01月21日

「風車」-第五号(一九七八年九月)

「風車」-第五号(一九七八年九月)

 電力業界の円高差益「還元」が本決まりになった。とはいえどうもすっきりしない。政党やマスコミは、我が党の試算、我が社の試算と、数字を競い合っているけれど、今年度分の差益額が今からはっきりわかるわけがない。むしろ問題なのは、そのはっきりしない今年度分の差益だけを返しますという政府・電力会社の姿勢そのものだろう。

 差益の額だけが大事であるかのように数字を競い合うのは、問題のすりかえではないか。差益を「還元」する、値下げだなどと言うが、言いかえれば二年前の料金値上げこそが不当だったということなのだ。

 その料金値上げに反対して不払い運動で対抗してきた諸グループは、さすがに正しく問題の本質をとらえているばかりでなく、創意に富んだ対応を提起している。

 あるグループでは、「福田再選のためのお恵み値下げ反対」として、「還元」期間中の料金支払い保留を呼びかけた。また別のグループは、「差益ごまかしを許すな」と、差益分の自主値下げをすでに始めている。

「差益ごまかし」でごまかされた分は、原発を中心とした設備投資にまわってくる。すでに電力各社は「将来の設備投資にまわす」として昨年度までの差益を隠してしまった。通産省は八月二十二日、電力業界に対して「還元」を指導するのと並行し、差益の一部を「電源確保税」(仮称)として徴収、電源三法の補完にするとの方針を明らかにしている。「差益ごまかし」を許さない運動は、反原発運動の重要な課題の一つと言えるようだ。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:07