2004年01月21日

「風車」-第七号(一九七八年一一月)

「風車」-第七号(一九七八年一一月)

 通産省は、電源開発社のカンドゥ炉導入を十月二十四日の総合エネルギー調査会原子力部会で正式決定するつもりでいたが、電気事業連合会などの強い反対で、見送りになってしまった。

 カンドゥ炉は、カナダの開発した天然ウラン重水冷却型の原子炉だが、通産省の意図は、濃縮ウランを使わないカンドゥ炉の導入により、アメリカの核拡散防止政策をすりぬけ、さらに、国策会社電源開発を通じての国家主導型原子力推進をいっそう強めたいことがみえみえだ。

 電事連は、安全性に問題があるなどと言っているが、いまさら安全性を心配するわけもなかろう。電力会社は、これまでしがみついてきた軽水炉から転向するわけにもいかず、電源開発の原発進出にも反発している。

 この対立に、動燃事業団も一枚かんで、カンドゥ炉批判を始めた。同炉が、「次期原子炉」の座をめぐって、動燃の新型転換炉と競合するからだ。その新型転換炉には、ところが電事連も気乗りうす。ここに、さらに、新行政機構で開発計画の責任をもった科学技術庁が、独自の思惑で介入するという見方もある。

 要するに、これは国民不在、無展望、無政策の原子力政策の典型だ。かんじんなのは、たまり続けるプルトニウムをどうするのか、ということだが、その策も立たないままに五者の思惑だけが入り乱れている。無策のツケは、国民にまわるのだからたまらない。せめて、もう一枚防衛庁がからむということにはならないでほしいのだが……。(高木)

Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:08