「風車」-第八号(一九七八年一二月)
アメリカのユタ州のソールトレーク・シチーは、かつてウラン鉱の町として活況を呈した。いまや廃坑となったその地には、二百万トン近くの採鉱・精錬のかすが、五千アールの土地に放置されたままだ。
このかすには、ラジウムなど多くの放射性物質が含まれており、いまも放射能を放出し続けている。そのなかに、放射性気体ラドンが含まれている。空中に放出されるラドンは、住民の健康を脅やかすまでに、空中の放射能濃度を高めている。
事態を無視できなくなった州当局は、このかすを除去する方針だ。五千アールの土地を六十センチにわたって削りとり、鉄道で百五十キロ離れた砂漠に運ぶ。さらに、その上を七、八メートルの土か二メートルあまりのセメントで蔽うという。その経費は六十億円以上ともいわれる。
これは、これから世界の各地で起こることの一例にすぎない。岡山県の人形峠周辺も許容量すれすれに汚染されている。ウラン鉱の後始末の問題は、かつては無視され続けてきたが、いまや再処理残渣にも劣らない深刻な問題として認識され始めたのである。
アメリカではこれらの経費は、税金から出されるという。またまた、国民は高いツケを後から払わされることになるわけである。(高木)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:09