2004年01月21日

「風車」-第一四号(一九七九年六月)

「風車」-第一四号(一九七九年六月)

「『話し合い主義』をとることで、果していつまでも問題を解決できるであろうか」と、財団法人社会経済国民会議がまとめた『紛争と合意形成――原子力への期待』は言う。原発立地の合意をいかにして得るか、についての報告書である。

 正々堂々たる議論では勝ち目がないと見てか、彼らは、「日本人の妥協のしかたとして、『反対だが、しようがない』といった状況がある」と言い、「こうした状況を設定すること」を勧めている。たとえば、「調整役たる町の有力者は、表向きはあくまでも中立の立場を堅持することが必要であって、その間根回しによる説得を行うほうが効果的である。そして、最終的な段階で調整役自身の態度決定が大義名分を与えることになって、共同体の一つの決定としてまとまる」といった次第。

 その最終的な段階では「押しきるべきところをもう一度話し合おうとするとかえってマイナス効果をうむことになってしまう」と、「一気呵成にことを運ぶ」よう訴えるのだ。

 運動の着実な前進に追いつめられた彼らの焦りが、実によくあわられた報告書と言えようか。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:11