2004年01月21日

「風車」-第二七号(一九八〇年七月)

「風車」-第二七号(一九八〇年七月)

 あなたが原発から一〇キロメートル以内に住んでいて、もし原発で大事故が起こったと知らされたら、どうしますか。被曝線量が十レムに達するレベルまでは、窓を締め切ってじっと自宅で息をひそめている。十レムを越えそうになったら、放射能の雲の中を。ぞろぞろとコンクリートの建物を求めて移動し、そこでじっと恐怖の時を過す。そんな人が果してほんとにいるでしょうか。

 そうしなさい、というのが原子力安全委の防災対策報告書(六月二十六日発表)の指示なのです。机上の空論とはまさにこのことではないでしょうか。

 誰だって事故が起こったら、一刻も早く放射能の通り道から逃げようとするでしょう。しかし、「対策地域」に入ったのが運のつき、自宅に閉じこめられ、さらに事故が深刻化したら、今度はコンクリートの建物に「収容」される。たぶん道路も閉鎖されて、十キロメートル以内の人は、逃げ出すこともできなくなる。

 このプランは、たぶん、防災対策もありますよ、と言いたいためだけの作文です。しかし、このプランは事故時の周辺住民閉じ込め策ともいえます。「パニック」を起こさせないためか、汚染した人や車が移動するのを阻止するためか。いずれにしても、このプランに従わないことを、現状では最良の「対策」としておすすめします。(高木)

Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:20