「風車」-第三二号(一九八〇年一二月)
面白い、といっては語弊があるが、去る十月十七日の参議院科技特委における中川科技庁長官の、海洋投棄問題に対する答弁は、ある種の本音がよく出ている。
中川長官「そこで海上投棄と陸上投棄のどっちがいいか、それは陸上投棄の方が安くていいことには違いないが、……フランスが陸上でやっているから、じゃあ日本でもやれと言って、それじゃ私どもが責任をもって陸上についてどこの場所ということになったら、これまた社会党の皆様を初めとして、陸上に投げたら安全性がどうのこうのということで、また非常な国際的な反発よりは数倍の反発があるであろうことも想像されるわけでありまして、……」(傍点引用者)。要するに「日本に投げないで向こうへ投げる」(中川)方が、反対が少ないからということらしい。
次のようなくだりもある。「フランスその他の国が海洋投棄で何にも支障がなくて、反対があったからやめたわけじゃない。私の聞いておるところではあそこは国家権力もあるし、国民の理解もあるから陸上投棄の道の方が安いから変わっただけのことであって、……」。国家権力がある(強大だ)から、フランスは安上りの道を選べたのだ、というのは、原子力国家の本質の何たるかを言い得ているとはいえないだろうか。(高木)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:21