「風車」-第三三号(一九八一年一月)
泥仕合。広辞苑の定義は、互に相手の秘密や失敗を暴露し合ってみにくく争うこと。
あのスリーマイル島原発の所有者GPU社が、米原子力規制委を相手どって、約八千億円に及ぶ損害賠償請求をした。指導の悪さが事故につながったからだという。
一方、GPU社は、いまワシントンでさかんに議会工作をしている。原発一基の建設費にも当たるスリーマイル島原発の除染費用を国に出させるためだ。盗人猛々しいとはこのことだが、それほどに同社の経営は苦しいのだ。
最近、GPU社は、フォークド・リバー原発の建設を断念した。VEPCO(ヴァージニア電力)社も建設中のノースアンナ原発4号炉を諦めた。これで、八〇年中のアメリカでの原発建設キャンセルは九基に達した。
尋常なことでは原発を建設しきれない、建設しても廃棄物や廃炉の問題などで、採算の展望のないことが明らかな時代に入ったのである。眼を日本に転ずると、「広域運営」などと称して東京電力と東北電力など、原発建設路線をとにかく維持するための事実上の合併が始まっている。原発は九電力体制をも崩壊させつつあるのだ。
新年から味気ない話になった。今年は酉年。鶏はいまどんな時を告げようとするか。折からレーガンが就任する。(高木)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:22