2004年01月21日

「風車」-第三五号(一九八一年三月)

「風車」-第三五号(一九八一年三月)

 日本原子力産業会議が七九年度の原子力産業実態調査報告をまとめ、一月末に発表した。

 それによれば、原子力関係鉱工業の同年度売上高は五六六四億円、同じく支出高は五八二七億円だという。七七、七八年度と、初めて二年続きの黒字を出した日本の原子力産業だが、再び赤字に転落した。その大きな理由は、スリーマイル島原発事故の影響による受注の停滞だ。

 しかし、対前年度比で二一パーセントという原子炉機材部分のマイナスの割には、赤字の幅は小さい。これは、他方で核燃料サイクル部門における対前年度比九二パーセントもの著しい伸長があることによる。原子炉機材部門の減少額七五五億円のうち、四六三億円が核燃料サイクル部門での増加額で補われている。同じことを別の側面から見るなら、電気事業向けの売上げの減少と、政府向けの売上げの増加ということになるだろう。すなわち電気事業向け売上げの対前年度比一二パーセント減の一方、政府向けの三四パーセント増である。ここでも、電気事業向け売上げの減少額五四六億円のうち、一八八億円が政府向けの売上げによってカバーされている。

 核燃料サイクル部門(これだって、本来は電気事業が行うべきものだ)を中心に、国家予算を注ぎこむことで電気事業の負担を軽くし、原子力産業を辛うじて成り立たせる仕組みは、かくて露骨にその正体をさらけ出した。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:23