「風車」-第四〇号(一九八一年八月)
アメリカ下院本会議は六月二十六日、クリンチリバー高速増殖炉原型炉の建設予算を復活させた。五月七日に下院科学技術委員会が全面削除の議決をしていたのを逆転させたものだ。二億五千万ドルの原案から二億三千万ドルに減額はされたものの、FBR推進を打ち出したレーガン政権としてはほっと一息というところか。
とはいえ、実際に工事にかかるには公聴会など多くの手続きが控えている。いや、そもそも表向きの推進姿勢はともあれ現実的な考えとしては、レーガンもFBRを「むしろ当面やる気はないようだ」と、東京電力の堀一郎副社長は言う(七月二十一日付日経産業新聞)。アメリカのみならず「英国も表向きは国際協力に前向きのようなことを言っているが、やはり資金力に問題がある」そうだ。
FBR開発では最もすすんでいると言われるフランスでさえ、ミッテラン政権が誕生するはるか以前から実証炉建設延期の観測があった(深井秀昶海外電力調査会主任研究員の言―五月十二日付日経産業新聞)。"金食い虫"FBRの経済性がいっそう悪化しつつあるのが原因らしい。誰もエネルギーのことなんか考えちゃいない、というのがホンネだろう。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:25