2004年01月21日

「風車」-第四八号(一九八二年四月)

「風車」-第四八号(一九八二年四月)

 東京電力などで、「老朽火力」の休止が行なわれようとしている。すでに減価償却を了えた古い発電所だから、当然のことと思われそうだが、それは違う。

 原発と違って、火力の場合は、古い発電所だからといって効率が落ちるわけでもなく、十分に使用に耐える。減価償却を了えているということは、適当な保修を加えるだけで、使えば使うほど利益をもたらすことを意味するのである。また、石油、とりわけC重油のだぶつきと価格安定で、石油火力の新設を禁じたオイル・ショック後の政策の見直しすら語られている時に、既存の火力を休ませる理由はない。

 それをなお休止というのは、一方で原発の新設がすすめられているからだ。平岩社長が「我々のではなく国の計画」と呼ぶものに協力して、社内的にも無理をしながら原発の建設がすすめられていることが、よくわかる。もっとも、そのツケは、電力料金の値上げとして消費者にまわせばよかったのだが。

 しかし、そんな無理にも限度がある。電力需要の構造的な落ち込みは、何よりも電力の設備投資の財源を直撃した。しかも、値上げをすればいっそう需要は落ち込む。それを承知でゴリ押しをするのは自分で自分の首を締めることだと、いつになったら気づくのだろうか。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:27