2004年01月21日

「風車」-第五五号(一九八二年一一月)

「風車」-第五五号(一九八二年一一月)

 今年の『原子力年報(原子力白書)』が、十月二十六日、原子力委員会から発表された。発表時の記者たちへのレクチャーのたまものだろうか、原発の経済性を強調した白書、と各マスコミは、これを報じている。

「一週間だけ貸します」と恩着せがましく言われて、安全委の事務局から、この白書を借りてきた。ページを開いてびっくり。経済性についての記述は、五五五ページのうちのわずか二ページでしかない。なるほど原発は安いとする発電単価の数値が書いてはあるが、その根拠は一行たりとも書かれておらず、通産省の試算値の丸写し。これで「原発の経済性を真正面から取り上げた」もないものだろう。

 一年前までは大いに幅をきかせていた「石油危機」の錦の御旗が色褪せてしまったことから、急いでひっぱり出した借りものの旗が「経済性」ということか。原発推進が先に決められていて、後からその理由がつけられる。そんなやり方がいつまで通用すると、彼らは考えているのだろう。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:32