「風車」-第六〇号(一九八三年四月)
東海再処理工場がまたとまってしまった。もともと片肺運転中だった溶解槽とひとつしかない酸回収蒸発缶の穴あきなので、今回の停止は長期化しそうだ。動燃側も動揺を隠せない。
そのニュースに重なるようにして、「イギリスは再処理を放棄へ」という報道がつたえられて、大騒ぎとなった。もっとも『原通』(三月十四日号)によれば、このニュースの源である英中央電力庁のベイカー氏のニュアンスは、必ずしも「再処理放棄」ではなかったらしい。しかし、イギリスやフランスまでも、自国の再処理計画には慎重になってきたことは、どうやら否定しようもない。
先日、スエーデンのエネルギー問題研究者が訪ねてきた。彼は原発反対派というわけではなかったが、日本政府がなぜ再処理政策にそれほどこだわるのか、不思議でたまらないと言っていた。経済性、必要性とも、科学技術庁の役人の言い分には、少しも説得力がない。電力会社の連中に聞くと、むしろ再処理は必要ないという言葉がかえってくる。それなのになぜ、というのが彼の疑問だった。
もっとも、彼はすでにちゃんとその答えに到着していた。「日本では政府が一度決めたことは、どんなに不合理でも撤回しないようですね」。そう、日本の原子力問題全体が、まさにそのためにあるのである。(高木)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:34