「風車」-第七五号(一九八四年六月)
佐賀県玄海町。九州電力の原発二基が稼働しているが、「大事故は起きない」という固い信念のもと、町として「防災対策」はいっさい立てないという。
町長にとっては、原発よりも職員のほうが心配らしい。昨年九月に完成した町の新庁舎は「原発御殿」と呼ばれる豪華なもので、その文字通りの目玉が、職員監視の目、職場の隅から隅までを助役室のブラウン管に映し出すテレビカメラだ。ズームアップもできる新鋭機である。
各課長席と助役室をつなぐインタホンは、助役が相手に気づかれずに聞くだけの一方通行も可能。周辺の会話を盗み聞くことまでできるらしい。「これまでもしてきたことをカメラやインタホンを通すようになっただけ」で、"職場管理の近代化"なのだそうだ。
この玄海町に、さらに二基の原発を増設するべく、六月十八日に第二次公開ヒアリングが強行されんとしている。九州電力としては、ただでさえ発電設備が過剰となっていて、海外にまで企業誘致の使節団をくり出し、電力需要の開拓に必死なのに、それでも百十八万キロワットの超大型原発を二基もつくるのは、地元に金を落とす約束をホゴにできないからだ。
さらにその金で今度はどんな"近代化"をなそうというのだろうか。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:48