「風車」-第七六号(一九八四年七月)
全炭鉱労組は、全国にある数百の石炭の廃鉱を、原発の放射性廃棄物の投棄場所として活用する案を推進することを決めた、という。
この手の話は、まじめに扱う気にもならないのだが、さりとて放ってもおけない。そこでいきおいわが「風車」欄の常連ということになるのだが。
それにしてもねぇ、いったい全炭鉱さんとやらは何を考えているんだろう。もちろん、これを報じた毎日新聞のいう通り、「斜陽化する一方の石炭産業の中で、何らかの雇用確保をはかるための苦肉の策」なんだろうけど、そんなことで雇用が確保されると本気で考えているのだろうか。そうだとすれば憤る以前に悲しくなる。
同じ毎日新聞によると、原子力研究所のエリートたちは、石炭産業ならぬ原子力産業の「斜陽化」の危機を本気で心配し、今後の乗り切り策をいろいろ検討しているらしい。もっともこっちの方は「ドラム缶を廃鉱に」という程の"メイ案"もないらしい。しかし、原子力を推進・宣伝しながら、その内側で逃げ道を考えているとは、さすがにエリートは抜け目なく、セコい。
それにしても、結局のところ、どちらも金の話、安全よりもエネルギー問題よりも、金にどうありつくかという発想だ。原子力の周辺には、死臭の如く金の臭いが漂って、亡者たちを誘うらしい。(高木)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:49