「風車」-第八一号(一九八四年一二月)
東北電力が「土地利用の見直し」を言い出して安全審査がストップしている巻原発の原子炉設置許可申請を電力に突き返せ―と、巻原発反対共有地主会のメンバーらが通産省に要求している。すでに何度か交渉も重ねられた。
何をどう見直すのか、いっさいを尋ねることもないままに、「場合によっては安全審査をやり直すことになりかねないので、自主的な判断で」審査を中断している、というのが通産省のお役人の答弁。中断以来すでに一年二カ月になるが、「どうなっているのか」と電力側に問いただすこともないという。電源開発の計画的遂行をうたう電調審で計画に組み入れられたにしては、ずいぶんとノンビリした話だ。
地主会の土地を避けて通ろうとの土地利用の見直しはどうやら難しい。炉心予定地のすぐ近くにも未買収地があり、通産省が申請を早く却下しないお蔭で利権亡者たちの争いのタネになっている。町の多くの人々はさめきってしまい、「原発ができると信じているのは利権亡者たちと反対派だけ」との辛辣な批評が地主会に寄せられたそうだ。それなのにいつまでも申請を暖めて利権亡者たちを踊らせるとは、通産省も罪つくりである。
電力を助けるためにノンビリ屋をきめこむのでなく、ほんとうに長期的な見通しに立って計画を白紙に戻してほしいものだ。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:50