「風車」-第八六号(一九八五年五月)
電源設備の"ベストミックス論"なるものが急浮上している。原発だけを増やすような考えを改めて、さまざまな発電方式の理想的な"ミックス"を図ろうというのである。
表向きは、それでも「原発の比率を現状の二倍くらいにするのがベストだ」と言っているが、電力会社の本音は、「もう原発はたくさん」ということだろう。原発を増やすことは、それだけ電源設備の運用を硬直化させ、全設備の利用率を下げることにほかならないからだ。
使い勝手のよさという点では石油にまさるものはないとあって、「脱石油」の看板を下ろしにくい今はともかく、将来の"ベストミックス"としては「石油火力の比率が再び上昇することも十分あり得る」との発言まで、すでに飛び出している(川合辰雄九州電力社長──四月十五日付日刊工業新聞)。かくて、経営幹部向けの情報紙『選択』三月号の記事のタイトルを借りて言えば、「原発から九電力が撤退する日」も遠くない。
しかし、だからこそ一方で、強引なコスト切り下げによってなんとか原子力の優位性を打ち出そうとのもくろみも、すすめられている。安全基準・被曝規制・廃棄物管理のスソ切り、建設工事や定検の手抜きなどなど。危険をいっそう増大させる末期の悪あがきだ。
反原発運動の役割は、ますます重要になったといえるだろう。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:52