2004年01月21日

「風車」-第八九号(一九八五年八月)

「風車」-第八九号(一九八五年八月)

 廃炉の処分費三百億円と、どの新聞もデカデカと―中には一面トップで―伝えている。総合エネルギー調査会原子力部会の廃炉処分に関する報告書が出されたのである。

 五年から十年管理した後、原発全体を完全に解体撤去し、跡地利用するという。そのことは別に目新しい話ではないが、この報告には衣の下から鎧が透けて見えるようなところがある。

 処分費三百億円は決して安くない。しかしこれだと一キロワット時あたりにして一円にもならない。いったいこの安さのカラクリはどこにあるのだろうか。報告書には「五〇~五五万トンのゴミの九八パーセントは放射性物質として取扱う必要のないゴミで」ある。新聞もこれに疑問をはさんでいない。つまり、三百億円という低経費は、ゴミのスソ切り(放射能を放射能でないとして棄ててしまうこと)を前提としている。しかし、冗談はやめてほしい。まだ誰もそんな了承を与えていないはずである。

 もうひとつカラクリがある。廃炉の処分で生ずる廃棄物は下北半島に持って行き貯蔵する、と事もなげに書かれている。その中にはかなり高レベルのものが含まれる。これは地元、下北にとっては初耳であろう。そもそも、廃棄物の受け入れを地元は了承していない。

 それにしても、最近の新聞はどうなっちゃったのかな。(高木)

Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:53