「風車」-第九四号(一九八六年一月)
新年おめでとうございます。今年もよろしく。
このところ、政府・原子力産業側は「将来ビジョン」ばやりである。総合エネルギー調査会は、なんと二〇三〇年を見通す長期ビジョンをつくるというし、資源エネ庁も「二一世紀エネルギービジョン検討委」を発足させた。原子力委は原子力開発利用長期計画の書き直しをするという。電事連もビジョン、ビジョンと動き出した。
八〇年代もいよいよ折り返し、世紀末に向かって原子力産業は明らかに下り坂。「夢の原子炉」やプルトニウム経済に期待をかけていた、一昔前の世紀末イメージはすっかりメッキがはげた。ここらでスケジュール遅れの手直しをしながら、看板の書き直しをしなくては、というのが、ビジョンばやりの理由だろう。
もともと原子力屋さんというのは、実現もしない計画を言いたてて、人心をまどわせてきた連中だ。ピカピカの看板がなくては、やっていけなかろう。しかし数年先のことなどは、いくら美味そうな絵を書いてもすぐにウソがバレる。そこでなんと二〇三〇年のホラを吹こうということらしい。
今やその手は通用しないから、勝手におやりなさい、と言いたいが、一昔前に自分たちがなんと言っていたかだけは、覚えておいてもらいたい。なにしろ一九八五年度末には、原発規模六千万キロワットは必要、などとつい七、八年前まで言い続けてきた連中なのだから。(高木)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:54