「風車」-第九五号(一九八六年二月)
消費者が節電タイプの冷蔵庫に買いかえると、電力会社から八万円の奨励金がもらえる。病院などで断熱基準を満たす建物を建てれば、それによって節電できる契約容量一キロワットにつき四十八万円が電力会社から支払われる。
『電気協会雑誌』の一月号に紹介されている、アメリカの民間最大手の電力・ガス会社、PGE(パシフィック・ガス&エレクトリック)社の例である。そして、「アメリカではこうしたことを行なっているのは何もPGE社だけではなく、他にも追随する電力会社が増加している」のだという。
「供給から販売へ」を今年の旗印として掲げた東京電力など、需要拡大にひた走る日本の電力会社の目で見れば、「半信半疑になってしまう」のも無理はない。
しかし、一見すると自分の首をしめるかのようなアメリカの電力会社の姿勢だが、その動機は「自分の為になるから」だ、と右の紹介は言う。というのも、「エネルギーの節約はエネルギーの生産より五分の一~七分の一の経費で済む」からである。
そうして浮かした設備投資資金を、PGE社では更新性エネルギーの研究開発と、既存設備の耐用年数を延ばすことに振り向けている。日本の電力会社はこれを単に設備投資軽減の「賭け」と見て、「成り行きを注目」しているだけでいいのだろうか。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:55