「風車」-第九九号(一九八六年六月)
蓼食う虫も好き好きという諺にいう。蓼の虫は蓼で死ぬ、ともいうらしい。放射能を食う虫もあるのだろうか。放射能を食いものにして私腹を肥やす虫は、この国にうようよしているのだが。
バクテリアには、強烈な酸である硫酸や硝酸を食って生きているものもある。ほとんどあらゆる化学物質について、必ずそれを食う菌があるといっても過言でないらしい。その性質を利用して放射性廃液やその残渣などをバクテリアで分解し、減容化したり固化することをまじめに考えている研究者も、実際にいるらしい。
そんな研究はうまくいきそうにないが、イギリスからの次のような便りはおそろしい。ある機関が放射性廃棄物の処分候補地につき調査をしたところ、どこでも地層中からバクテリアが発見され、専門家たちは頭を悩ましているというのだ。
鉄を食うバクテリアもいれば、イオウを食って硫酸を生じるバクテリアもある。そんなバクテリアが地層処分をした放射性廃棄物のそばに生きていたとしたら、容器をいずれは腐食する。イギリスでは、ひそかにバクテリア対策の研究プロジェクトを開始したとか。
地下で何が待ち受けるか、まして何百年何千年先ということになると、わからないことだらけだ。いかなる放射能も埋設処分をすべきでない。(高木)
Posted by 編集部 at 2004年01月21日 17:56