2004年01月22日

「風車」-第一〇九号(一九八七年四月)

「風車」-第一〇九号(一九八七年四月)

 電力消費量を抑制する「節電型」と呼ばれてきた電気料金の体系が、いわば「増電型」に変えられようとしている。三月末に電気事業審議会の料金制度部会がまとめた中間報告に示されたものだ。

 具体的には、新増設工場の電気料金を高くする特別料金制度、および使用量が増えると割高な家庭用料金の逓増制を、将来は廃止する方向で、格差の縮小を図るという。また、新たな季節別・時間帯別料金の導入も、盛り込まれている。

 季時別料金なるものも、ピーク需要の抑制が目的でなく、需要が少ない季節・時間帯の料金を割安にして需要を拡大しようというもの。特別料金制度や逓増制の「漸進的廃止」は、料金を実質的に下げてでも需要拡大を求める、電力業界の無謀な賭けを促す以外の何ものでもない。

 それで需要が再び伸びるとは考えにくいが、あえて賭けに踏み出そうというのは、それだけ電力業界が発電所、とりわけ原発の過剰に追いつめられているからだ。おまけに、まだまだ原発を増やすことが強いられている。発電用にしか使えない原子力利用の拡大のためには、電力需要を拡大するしかないのである。

 かくて打ち出されようとしている「増電型」料金制度の賭け。丁目も半目も、ご免こうむりたい。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:07