2004年01月22日

「風車」-第一一三号(一九八七年八月)

「風車」-第一一三号(一九八七年八月)

 記録的な猛暑となった七月二十三日、東京電力管内の一都五県で、「クーラー停電」と呼ばれる広域大停電があった。

 この日の午後一時十九分、昼休みが終わって企業活動がいっせいに再開されるのに伴って急速に電力需要が伸び、送電電圧が急降下したために変電所の保護装置が働いて、三カ所の変電所が同時にストップ。発電所は「大過剰」で供給力には十二分の余裕があるのに、系統運用の誤算から大停電となった点が特色だ。

 だから、この停電を原発建設の促進キャンペーンとすることは、本来、できない相談である。それどころか、原発の拡大こそが大停電の元凶のひとつと言ってよい。

 送電電圧を降下させた大きな原因が、過度の都市集中にあることは論を待たない。と同時に、原発を中心とする発電設備の側の集中・大型化、そして長距離にわたる超高圧送電線による大電力輸送と、送電系統の複雑化も、電圧の維持を著しく困難にさせているのだ。そしてまた、事故を連鎖的に波及させる素地となっているのである。

 とすれば、今回の停電の教訓を生かそうとするならば、需要の削減と、その需要のある場所で発電をする分散型の発電方式への転換こそが、選ばれるべき道だ。くれぐれもお間違えのないよう願いたい。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:09