「風車」-第一一七号(一九八七年一二月)
今年の『原子力白書』が十二月一日、発表された。かつては大々的に内容を紹介したマスコミも、もはや食指が動かないようで、扱いは小さい。
いまさら原発推進なんて、というのが大方の評価だろう。現に建設中の伊方3号が三年、玄海4号が二年、運転開始の予定を先に延ばされた。電力会社にしたって「いまある計画を延期するので大変」(小牧正二郎東京電力常務)なのが現実の姿である。官僚の作文を信じて「原発は国民生活を支える重要なエネルギーへと成長した」などと言い出すのは、一部の労働組合くらいのものだ。
資源エネルギー庁の肝煎りで昨年から行なわれている「エネルギーフェア」も、今年は原発立地市町村のどこからも開催地となることを断わられた。やっと美浜町に泣きついて開いたものの、あいさつに立った敦賀市の高木孝一市長は「原発は安全第一が願い。立地市町村は血みどろに取り組んでおり、このようなお祭りは無意味でないか」と痛烈な"祝辞"(十一月七日付福井新聞)。
これには、原発推進で知られた美浜町の自民党町議も「胸がスーッとした」という。一方、資源エネルギー庁の浜岡平一長官らは、ご機嫌ななめで早々に退席したとか。現実から遊離した原発推進派は、退席の時機を誤らないのが肝要なようだ。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:10