2004年01月22日

「風車」-第一一九号(一九八八年二月)

「風車」-第一一九号(一九八八年二月)

 伊方2号炉での出力調整実験は、同原発の所有会社である四国電力だけの実験ではない。加圧水型原発を持つ五つの電力会社とメーカーの三菱との共同実験だ。

 それをなぜ伊方で?―という問いの答は、やはり四国電力がいちばん出力調整に熱心だからだろう。総発電量のうち原発の発電量が占める比率は関西電力のほうがやや高い。だが、原発の基数は、関西の九基に対し四国は二基。およそ小回りがきかない。

 社長やら常務やらが口を揃えて言うように、「需要の低迷には最も弱い」体質を、四国電力は抱えている。そこで同社の佐藤社長は、「お客さまに電気を大いに使っていただくよう取り組んでまいりたい」と、昨年の年頭に語った。しかし、現実は厳しい。「大電源の時代は終った」と自ら宣言した言葉の意味を、同社長は、さぞやかみしめたことだろう。

 建設中の伊方3号炉が運転に入ったら、それこそ年中、出力調整が必要な事態になる。にもかかわらず、工事の三年延期がやっとで、キャンセルはできないらしい。

 もはや原発はお荷物になっているのに、電力会社には、自分の力でこれを止める能力が欠けている。苦肉の策が、すなわち出力調整である。反原発運動のひろがりは、電力会社にとっても救いの神と言えそうだ。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:12