2004年01月22日

「風車」-第一二一号(一九八八年四月)

「風車」-第一二一号(一九八八年四月)

 香川県仁尾町に通産省がつくった海水中のウラン回収の実験プラント(金属鉱業事業団が委託を受け建設・運転)が、八七年度限りで閉鎖されることになった。

 地球上の海水全体には約四十億トンのウランが含まれており、これを回収すればウランは無尽蔵だなどとして、通産省が「胸をはってすすめていけるプロジェクト」だったはずなのだが、採算性があまりに悪く、二年間動かしただけで淋しく幕。九〇年代には年間千トンのウランを回収する商業プラント三基を完成させることになっていた―などとかつての計画を振り返ってみるのは、酷というものかもしれない。

 ともあれこれで、ウラン国産化の夢は、はかなく消えた。それでも、使用済みの核燃料からプルトニウムを取り出せば、これぞ「準国産資源」なり、と原発の推進者たちは言う。が、しかし……。

 その「資源」の出番は、ほんとうにあるのか。プルトニウムの商業利用は、高速増殖炉にしろプルサーマルにしろ何にしろ、技術的にも経済的にもしょせん現実性はない。プルトニウムは余る一方。原発計画の後退で、ウランまでが余っている。

 プルトニウムの回収こそ、早く幕にすべきだろう。ここで無理を通そうとすれば何が起こるかは、本紙の4面の解説を乞う精読。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:13