2004年01月22日

「風車」-第一二四号(一九八八年七月)

「風車」-第一二四号(一九八八年七月)

 RCサクセションの反原発をテーマにしたレコードを東芝EMIは「すばらしすぎて発売できません」というコメントで発売を中止した。

 レコード製作基準管理委員会の審査も通り、テスト盤も大量配布しラジオでも放送され評判を呼んでいた作品だった。親会社である東芝からの圧力か、原発擁護派への配慮からか……いずれにしてもとんでもないこと。「表現の自由」はどこにふっとんでしまったんだろうか。

 アメリカでロックミュージシャンたちが反原発運動支援のMUSEコンサートを開いたのは一九七九年。反核コンサートの波はたちまちヨーロッパに広がった。各国の脱原発への動きとピッタリ重なり合う。日本のミュージックシーンは奇妙なくらいこうした動きには無縁で、チェルノブイリ事故を経てようやく出てきたという感じだったのだが。

 ブルーハーツが大々的宣伝では売りたくないと自主製作したレコード「チェルノブイリ」もまた発売を自粛したそうだ。日本の音楽の世界では原発問題はタブーになってしまうのか。テーマによって表現そのものが否定されるなんてあってはならないことだ。

 今回の事件で、日本が、感じたことを卒直に表現することすら許さない窮屈な社会であることを、あらためて強く感じた。(渡辺)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:15