「風車」-第一二七号(一九八八年一〇月)
二十一世紀のエネルギー源として電力会社は何を考えているか―高速増殖炉? 核融合? それとも太陽エネルギー?
いずれもハズレである。正解を、東京電力の依田直常務から聞くとしよう。日商岩井のPR誌『トレードピア』の今年三月号で、依田常務はこう言う。「二〇〇〇年ぐらいまでは原子力が主力で、二一世紀に入るころには、石炭のほうに移行していくのではないかと考えています」。
原子力から石炭へ。これが電力業界の現実的な選択なのだ。プルトニウムの商業利用の見通しが立たないことを思えば、石炭のほうがウランよりはるかに資源量が豊富で、使い勝手もよい。奇異とするには当たらない選択だろう。しかし、環境への影響はどうなのか。その場しのぎで原子力に傾いたり石炭に乗り移ったりする電力会社の姿勢からは、安易に環境汚染源をたれ流す様子が目に浮かぶ。
「脱原発法」の制定運動の提起のなかで、環境を傷つけないエネルギー政策の実現のための脱原発であることが強調されるのも、右のような電力会社の動きが現にあるからだ。石炭などによる環境汚染に厳しい目を向けてきた人びとこそが、ヨーロッパの各国で国政レベルでの脱原発を実現してきている。その意味するところを、しっかりと見すえておきたい。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:17