2004年01月22日

「風車」-第一二九号(一九八八年一二月)

「風車」-第一二九号(一九八八年一二月)

『エネルギーレビュー』誌の十一月号でお茶の水女子大の湊和夫氏が、アメリカの電力会社の節電奨励策の新しい動きを報告している。

 省エネ基準にかなった家電製品を買った消費者や、基準を満たすビルの新改築をする建築主に対し、電力会社が数万円から数百万円の節電奨励金を支払っている例は、以前にもこの欄で紹介した。そうした節電奨励策をすすめる電力会社の数がさらに増え、年間の予算も、会社によっては数十億円を投じたりしているそうだ。ビルの節電の工夫もいっそうキメこまかくなり、さまざまなアイデアを電力会社の側から提案している。

 アメリカの電力会社はまた、自家用の発電設備をもつ企業や個人から余った電気を買い、電気を必要とする消費者に売る「電気の集荷・販売業」の色彩を強めてもいるらしい。節電奨励と余剰電力の集荷・販売―ともに、既存の設備を有効に使い、新しい発電所の建設を抑制する考え方のあらわれである。そのほうが経済的で、しかも環境への悪影響をなくせるというわけだ。

 日本の電力会社は、節電どころか、電力需要の開拓とやらに精を出し、自家発電が増えるのは不利益になるとして、これを非難する。なんと目先の利害だけした見ていないことだろう。いや、いまの電気事業法の下では、それも仕方のないことか。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:19