「風車」-第一三五号(一九八九年六月)
ベトナムから横須賀に向かう途中の米空母タイコンデロガが沖縄近海にさしかかった一九六五年十二月五日、一メガトンの水爆を積んだA4Eスカイホーク攻撃機が甲板から滑り落ち、水没した。
そのことが四半世紀近くも経ってやっと明らかになったことに、やりきれない怒りを覚える。事故が明らかにされたいまも、米日両政府の姿勢は少しも変わっていない。さらに怒りはつのるばかりである。
水没した水爆は破損し、核物質は流出したものの、海底に沈殿したはず―というのが、米政府の説明であり、それを日本政府も喜んで認めている。だが、そんなことを誰が信じられようか。海水中でプルトニウムの挙動、深海での水の流れ、魚介類への濃縮、食物連鎖については、わかっていないことが多い。しかし、わかっている範囲だけで考えても、米政府の説明のウソは見えすいている。
腹立たしく、また、いやらしいことに、タイコンデロガの事故は、核兵器事故の氷山の一角だ。原子力艦船の事故も多い。用済みになった原子力艦船を原子炉ごと捨ててしまうことまで、米海軍はやっている。
そんな国の政府や、その言いなりになっている国の政府が、「環境を守るために原発の推進を」などとは、盗っ人猛々しいもいいところだよね、まったく。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:23