2004年01月22日

「風車」-第一三八号(一九八九年九月)

「風車」-第一三八号(一九八九年九月)

 石川県珠洲市での原発計画は、関西・中部・北陸三電力の「共同開発」とされる。具体的には、関西が高屋地区に、中部が寺家(じけ)地区に建設するのに、地元の北陸が参加する──というものだ。

 建設費の一部を北陸が負担し、応分の電力を受電することになるのだろう。同様の例として東京電力の福島第二3・4号炉、柏崎1号炉に、地元の東北電力が参加している。

 大型原発は、スケールメリットにより運転コストの単価は安くなるが、建設費が巨額となり、また、小回りがきかない弱点をもつ。そこで、このマイナス面をカバーしようと、大電力会社が中小の電力会社にもちかけているのが「共同開発」だ。もちろん、自社の管内ではなかなか立地できる地点がないという事情も大きい。一方、中小の電力会社にとっては、自社単独ではつくりにくい大型原発の経済性を享受できる利点がある。

 ところが、共同開発に参加すると思わぬ重荷を背負いこむかもしれないという事例が現実化した。北陸電力としては大ショックだ。福島第二3号炉の事故で東北電力が、修理費についても建設費と同じく四分の一の出費を迫られたのである。おまけに同炉が長期停止中でも減価償却や金利負担はつづくわけだから、たまらない。

 それでなくとも、経済性はいまや火力に劣る。撤退こそ最善は明白だろう。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:25