2004年01月22日

「風車」-第一三九号(一九八九年一〇月)

「風車」-第一三九号(一九八九年一〇月)

 各地の放射能測定の活動から飼料用脱脂粉乳の汚染の実態が明らかになってきた。生後一週間ほどで母乳から切り離された子牛や子豚に代用乳として約一~二ヵ月にわたって与えられるもので、これがすぐに牛乳や肉の汚染につながるかどうかは微妙な問題だが、成長期の子牛・子豚の内部被曝による遺伝的影響などが心配だ。

 チェルノブイリ事故以前はオーストラリアやニュージーランドが主な輸入国だったのが、八七年以降はヨーロッパ諸国に移行してきている。汚染値が高く食用としては使えずにデッドストックとなっている脱脂粉乳が、巧妙に世界中にばらまかれていることを示唆しているが、アジアやアフリカの国々に乳幼児用の粉ミルクとして出回っている可能性も懸念される。

 つい最近も放射能汚染の疑いのある欧州産の冷凍牛肉が西アフリカで売られてパニックが広がっているニュースが伝わってきた。ECの新基準値をめぐっては、飼料について豚用一二五〇、子牛用二〇〇〇、その他の食用以外の動物用四〇〇〇ベクレルというとてつもなく高い値が提案されている。今後ますます厳しい監視が必要となってくる。

 輸入国を変えればとか、汚れたものは食べないということでは解決しない問題だが、広く議論を起こし解決の途を探りたい。(渡辺)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:25