「風車」-第一四一号(一九八九年一二月)
前号の「反原発講座」で、高速増殖炉の実用化は難しく、プルトニウム利用の道はない―と書いた。その後、新たな情報が伝わってきたので、紹介をしておきたい。
十一月十三日付けの電力時事通信によれば、フランス原子力庁が同国の高速増殖炉スーパーフェニックスを「増殖炉」として使わない方向で検討に入った模様という。どうするのかというと、ブランケット部(燃料のまわりにおくウランで、これをプルトニウムに変え、増殖する)を取りはずし、単に燃料のプルトニウムを燃やすだけとするわけだ。
まだ「検討に入った模様」という話だが、それだけプルトニウムの剰余量を増やすことへの警戒心が強いのだろう。むしろ高速増殖炉を「プルバーナー(プルトニウム焼却炉)として、剰余量を減らそうとの考え、と言ってよい。もちろん、高速増殖炉で燃やした後の燃料は、再処理しないことになる。
となれば、そもそもいまの原発の燃料も、再処理しないほうがいいに決まっている。十一月六日付けの電力時事通信には、ベルギー、オランダ、スウェーデンの三国がフランス核燃料公社に対し、ラ・アーグ再処理工場のUP3工場の運転延期を申し入れたらしい、との記事があった。
「わが国電力会社はこの事態を重視、三国の真意を探り始めた」という。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:26