2004年01月22日

「風車」-第一四四号(一九九〇年三月)

「風車」-第一四四号(一九九〇年三月)

 北海道電力が泊原発のそばに、三十億円をかけてPR館を建てるという。原子力についての知識や情報を模型などを通じて提供するほか、地元との交流の場として室内温水プールまで設置するそうだ。

 昨年十二月に来日したソ連共産党機関紙『プラウダ』のグーバレフ科学部長が、被爆国日本で原発が推進されているのは、すばらしいPR館があって住民に対する広報が行きとどいているからだ―と一月八日付の同紙に書いていたのを思い出して苦笑いをしてしまった。

 とはいえ、その記事には、日本の私たちには苦笑すら許されないような記述もあった。グーバレフ氏いわく「ここで、一つの特色について述べておきたい。それは日本の原発が大都市の近くで運転されており、保養地に配置されていることである。しかも、地震危険地帯にである!」。

 本紙第141号の4面でも特集したように、ソ連ではいま、都市近接あるいは保養地にある原発、そして地震地帯の原発が、次々と建設・計画の中止に追いこまれている。それを「無知」のせいであるとする証拠に、被爆国日本における原発の建設状況がつかわれているのだ。

 とびきり危険な状況で日本の原発が建設されていることが、当の地元のみならず、はるか遠くの人びとにまで累を及ぼす。私たちの責は重い。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:28