2004年01月22日

「風車」-第一五二号(一九九〇年一一月)

「風車」-第一五二号(一九九〇年一一月)

 福島第二原発3号炉の運転再開が、とうとう強行されてしまった。この暴挙に大きな役割を果たしたのが、原子力安全委員会の"お墨つき"だ。

 同委員会は、先に通産省・資源エネルギー庁がまとめた「健全性評価結果」の内容を、妥当なものであると認めた。その理由が振るっている。再循環ポンプ水中軸受けリングの共振を「全く無くすことは困難」だから、溶接の強度を増して「共振に対して十分耐えられるようにするという通商産業省の再発防止策は、現実的な策であると考えてよいであろう」というのだ。

 原子力安全委員会とは、「安全性」に非ずして「現実性」を判断する委員会だったのだろうか。「安全性」については、同委員会は、次のように言う。「完全溶け込み溶接を採用した水中軸受けリングの使用経験がいまだ十分には蓄積されていないことをも考え合わせ、なお念のため今後の監視を入念に行うのが慎重な態度というべきである」。

 嗚呼、なんたる自信のなさ! にもかかわらず「現実的」には、おっかなびっくり運転を再開するしかないなんて、これじゃあ安全委員会としても、安全宣伝委員会としても、失格だ。

 再開を強行してまた事故が起きたら、もういっぺん「事故防止対策を事前に確立しておくべきであった」と反省してみせるつもりかしら。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:33