「風車」-第一五六号(一九九一年三月)
福井県小浜市議会の保守系会派・平政会が二月二十三日、関西電力から美浜事故の説明を受けた。その席上、同電力福井原子力事務所の和田章副所長が言ったことがすごい。
いわく「三千二百六十本の細管が一気に破断しても大丈夫な設計になっている」。保守系の議員が相手ならと、高をくくったということだろう。陳謝して発言を撤回したが、「安全性を強調したいばかりに誤解を招く発言となった」のだという。
問題は、何もわからないうちから、ともかくまず「安全性を強調」することにある。破断の大きさも一次系から二次系への冷却水流出量も、はじめはできるだけ小さく言い、それから徐々に大きな数字に変えてきた。
二月十二日に記者会見をした原子力安全委員会の内田秀雄委員長も、まず「想定していた通りにそれぞれの安全系統が働き、うまく対応してくれた」「あってもやむを得ない事象だった」と断言する。だが、実はまったく想定通りでなく、むしろECCSの有効性を疑わせる事故経過だったことが、後にわかってきた。
まず「安全性を強調」する国や電力会社の姿勢が気になるのは、これでは住民の避難を必要とする事故が起きた場合、対策が遅れるのは必至だからだ。まさに命を蔑ろにするものだろう。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:34