「風車」-第一五九号(一九九一年六月)
相次ぐ事故で何基もの原発が長々と止まり、電力供給を原発に頼ることの危うさが露呈した。そんななか、DSMなる言葉が"流行"の兆しを見せている。
デマンド・サイド・マネジメントの略で、電力会社が需要家側に働きかけて消費の抑制を図ろうとするものだ。本欄でもすでに一、二度紹介したが、省エネ投資に資金援助をしたり、需要家のクーラーのスイッチを順々に電力会社が無線操作で切るかわりに電気料金を割り引いたりする(送風は続けるし、短い時間なので、切られたほうではほとんど気づかないとか)。
アメリカでは昨九〇年に、年間の需要の一・三パーセント、ピーク需要の三・七パーセントをDSMで削減させた──と米国電力研究所では推定している。米国立オークリッジ研究所によれば、二〇一〇年の想定需要の一九パーセントを減少させることが可能だそうな。
五月末に日本の経済企画庁がまとめた公共料金政策に関する報告書でも、DSMを行なうための電気料金の多様化がうたわれた。しかしその中味たるや、「夜間需要の拡大による需要の平準化」でしかなく、また、発電所建設促進型の現行料金決定システムをよしとするものだ。
流行を本物にするためには、DSMが電力会社にとっても利益となるような料金制度をつくることこそ必要なのだが……。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:36