2004年01月22日

「風車」-第一六三号(一九九一年一〇月)

「風車」-第一六三号(一九九一年一〇月)

 PKO法案の国会上程と軌を一にして、返還プルトニウムの輸送への自衛隊活用論が、またぞろ頭をもたげてきた。

 現職自衛官を休職ないし海上保安庁への出向の形で新造の巡視船「しきしま」に乗り込ませる案から、その「しきしま」を輸送船にして自衛艦が警護につくといった案まで、政府・自民党の一部で議論が再燃してきたとか。これにより問題の本質がいっそう露わになったといえる。

 一つは、「しきしま」が軍艦そのものであることだ。対空レーダーや近接防空システム、機関砲などの装備は保安庁の職員では使いこなせないという主張が、それを裏づけている。そんな船をつくり保安管区外で活動すること自体、海上保安庁の軍隊家にほかならないのに、それでもあきたらずに自衛官を乗り込ませようというのだ。

 第二に、「しきしま」を輸送船にといった案が出てくるのは、輸送船の安全対策として何が必要かがまったく顧慮されていない事実の現われである。危険性の認識の欠如に驚くが、それというのも輸送船についての情報が、政府・自民党のなかでさえ、ごく一部の人間以外には隠されているからだろう。輸送量も輸送容器も輸送期日もルートも、いっさいが極秘なのである。

 軍隊と秘密と超危険物の三題噺では、空恐ろしくて落ち・つかない。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:37