「風車」-第一七二号(一九九二年七月)
PKO(国連平和維持活動)協力法案が六月十五日、強行可決されてしまった。法の廃止を求めること、実際に自衛隊が海外に出て行くのをとめることが、今後の課題となる。
カンボジアへの派兵を許せば、返還プルトニウムの輸送に自衛艦を護衛につけよとの主張も、きっとまた力をもってくるだろう。某野党の幹部議員の秘書が「プルトニウム輸送を考えればPKOは必要でしょ」と語ったと言われるように、本来は何の関係もないはずの二つのことが、彼らの頭のなかでは一つになっているようなのである。
プルトニウムの輸送がつづく限り、右の主張は何度でも何度でもむし返されてきそうだ。そして、仮にもし自衛艦が護衛につくとすると、「核物質防護」を理由に、その装備は、いっさい秘密にされることになる。
現在、プルトニウム輸送船「あかつき丸」(もと使用済み燃料輸送船「パシフィッククレイン」を改造)の護衛にあたるとされている海上保安庁の新造巡視船「しきしま」も、当初はそれなりに明らかにしてきた装備について、昨年六月の進水のときからは秘密にしてしまった。
プルトニウム輸送という大きな無理が、海上保安庁を同庁設備の趣旨から逸脱させる無理を生み出した。その先には、もっと大きな無理が待っているようだ。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:41