「風車」-第一七三号(一九九二年八月)
ベラルーシの首都ミンクスで開かれたチェルノブイリ事故の影響に関する国際シンポジウムに参加した。ベラルーシでは科学者、医学者による調査研究はかなり精力的に行なわれている。事故直後のヨウ素131の汚染分布を再現する作業が進められており、プルトニウムについても239だけでなく各同位体の測定データが蓄積されている。
IAEAはこれら現地科学者の貴重な研究をまったく無視し、放射能による影響はたいしたことなしと結論づけている。この結論の背景には広島・長崎の被曝の過小評価がある。日本から現地入りしている笹川財団を受け皿にした医療チームもIAEAと密接につながり、被曝に苦しむ人々には何も貢献していないという不満の声をいくつも聞いた。
今回のシンポでは、日本側からは広島・長崎の放射線被害の実態とその評価についての報告がなされた。活発な意見交換があり、低線量被曝の危険性についての認識は一致し、核兵器の廃絶と原発およびすべての核燃料施設の廃棄をめざし努力するという内容の共同声明を採択した。
しかし、原発を持たないベラルーシを原発を導入しようという動きもでてきている。シンポをきっかけにできた交流をさらに深め、情報の交換を密にし、ともに脱原発への道を歩みたい。(渡辺)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:42