2004年01月22日

「風車」-第一七九号(一九九三年二月)

「風車」-第一七九号(一九九三年二月)

 ドイツの電力会社の首脳が首相に手紙を出して脱原発への具体策を提案、と前号で山本知佳子さんが報告した。

 国内外の反響に慌てて、電力会社側は報道の打ち消しに躍起となっている。とはいえ、いっかな歯切れのよからぬ否定のしかただ。いずれにせよ欧米各国ともに、大きな流れが脱原発に向かっていることに変わりはない。

 それにひき比べて日本では―とよく言われる。だが、日本だけが特別なんてことはありえないだろう。新増設の話が飛び交ってはいるものの、さて電力会社が本音で原発を推進したがっているのかどうか。使い勝手の悪さと高コスト、事故の重荷を考えるなら、ほんらい疾うに見切りをつけて当然なのだ。

 ましてプルトニウム利用ともなれば、それこそ金をドブに捨てるようなもの。そしてまた、プルトニウム利用がダメだとなったら、原子力利用のメリットは、それこそ皆無に等しい。

 残念ながら、しかし、これは日本も脱原発に向かっているという楽観論ではない。それでも脱原発の政策へと転換することができないのが、欧米各国と日本との大きなちがいなのだ。原子力船「むつ」の例がよく示すように、政策転換の責任を誰もとりたくないから最後までやめられない。官民の別なき官僚主義。

 これが何よりこわい。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:46