2004年01月22日

「風車」-第一八五号(一九九三年八月)

「風車」-第一八五号(一九九三年八月)

 七月八日に発表された東京サミットの政治宣言は、九五年で期限が切れるNPT(核不拡散条約)の無期限延長を強く打ち出せなかった。日本の支持が得られなかったからだ。

 内外のマスコミが大きく報じたように、「核保有の可能性を永久に放棄していいのか」とする政府・自民党内の議論は、きわめて根強いものがある。それは一部のタカ派の主張であって、政官界の主流は、製造能力はもつが核兵器はつくらない、との政策を切り札に、核をもたない国々を代表する大国たらんとしてきた。しかし、それもまた、核を弄ぶ考えに変わりはない。

 そうした考えが、タカ派の温床にもなってきた。核開発を駆け引きにつかうような外交のあり方を改め、NPTを具体的な核廃絶に向けたものに変えていくことがいま、政治に求められている。

 衆院選を前に、立候補予定者を対象に各地で実施されたアンケートの結果を見ると、自民党の候補者たちの回答でも、高速増殖炉計画は一様に「見直すべき」としていた。「軍事、非軍事にかかわらずプルトニウムは利用すべきでない」「この様な物質を使用しない事を原則としたい」などの回答もある。

 原発は廃止と回答している自民党候補者もあって、五五年体制とやらが崩れたぶん、変化の兆しも見えてきた。そこに期待したい。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:49