2004年01月22日

「風車」-第一八六号(一九九三年九月)

「風車」-第一八六号(一九九三年九月)

 科学技術庁長官=原子力委員長が江田五月さんに代わっても、原子力利用の基本政策は、さして代わり映えがしないらしい。長期計画の改定手順は当初のまま、委員の交代もない。

 もっとも、実を言えば、基本政策なるもの自体、従前からかなり怪しかった。プルトニウム利用政策ひとつとってみても、長官の"継承"論とは裏腹に、皆がやりたがっているわけではないのである。

 高速増殖炉の実証炉計画に向けて、技術の実証試験が必要とされる。「これは国の責任でやってもらいたい」と、六月二十三日の原子力委高速増殖炉開発計画専門部会で、電力業界代表の委員が言い出した。これに対し国側は、日本原電が自らの費用で行なうべきとしている。

 同委長期計画専門部会の第二分科会では七月二十八日、新型転換炉の実証炉用の海外返還プルトニウムの輸送は電源開発で、との話に電源開発の委員が「やる気も能力もない」と反発する一幕があった。いずれも結論は先送りとされ、そう簡単に決着はつきそうにない。

 専門部会なんぞともったいをつけても、しょせん業界代表とお役人の利害調整の場にすぎないのである。江田長官が「国民が納得する政策」と本気で言うなら、政策立案に民意の反映される専門部会に衣替えしてもバチは当たらないのだが…。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:52