2004年01月22日

「風車」-第一八八号(一九九三年一一月)

「風車」-第一八八号(一九九三年一一月)

「同じ海でも北極海なら……。あまり人も住んでいないようだし」。

 ロシアによる核廃棄物の海洋投棄に関しての、北村正哉青森県知事の言である。投棄場所は青森のイカ釣り漁船が出漁していた近く。ロシアの暴挙は決して許せないが、北村知事に批難の資格はない。

 百五十万人余の人が生活している青森県を、まさに電力会社などは「あまり人も住んでいない核のゴミ捨ての適地」と見ている。そのことにおよそ無自覚な知事の姿勢は、そら恐ろしい。北極海に暮らす人びとばかりでなく青森県民をも、知事はないがしろにしているのだ。

「TRU廃棄物の処理について、ドイツは中間貯蔵及び処分時の安全を考慮し、返還廃棄物のうち、ビチューメン固化体は火災の危険があるのでビチューメン固化をやめるようにCOGEMAに申し入れしていたところ、COGEMAは一九九五年以降やめることになった」。

 日本原子力情報センターが先頃まとめた『欧州再処理及び放射性廃棄物視察団報告書』中の一文である。日本からCOGEMA(仏核燃料公社)に同様な申し入れをした話は聞いたことがない。六ヶ所再処理工場でビチューメン(アスファルト)固化をやめるという話もない。この点でも知事は、とんと無自覚のようだ。

 危うし青森県民。否、これは青森県民だけの問題ではない。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:53