2004年01月22日

「風車」-第一九一号(一九九四年二月)

「風車」-第一九一号(一九九四年二月)

 森瀧市郎さんが亡くなられた。本紙で対談をしていただいたのが、ちょうど十年前。八四年の一月号である。ビキニ水爆実験、第五福竜丸の被曝を契機に原水爆禁止の運動が生まれて三十年、日本で原子力開発がスタートして三十年という節目の年だった。

 それから十年。何が変わり、何が変わっていないのだろうか。十年前の対談のお相手をお願いした栗原貞子さんから今年届いた年賀状には、こうある。「ヒロシマでは今も放射能の人体実験が続いています」

 広島、長崎での人体実験にあきたらず、多くの核実験や放射能戦争の実験などがくり返されてきた。先の対談での森瀧さんの言に反して、「広島後」も力の原理は生き残っているように見えなくもない。しかし、森瀧さんは、「生命は勝たねばならぬ」「民衆を信じる」と言いきられた。その楽観主義は、被爆後の血を吐く思いをくぐり抜けて育まれたものだろう。

「核のない未来」をきっと実現します。森瀧さん、どうぞ安らかに。(西尾)

Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:54