「風車」-第一九二号(一九九四年三月)
「原子力、国民と一緒に考える」──『エネルギーレビュー』九三年十二月号の巻頭インタビューで、原子力安全委員会の佐藤一男委員は、そんな心構えを強調した。
「国民の皆さんは原子力発電をどう進めるかについての決定プロセスに参画したいと思っておられるのではないでしょうか」と、佐藤委員は述べている。「やはり国民の方々と一緒になって考え、一緒になって判断していくという心構えが、これからはますます必要になってくるという気がします」
原子力委員会が専門部会を設けて改定の作業をすすめている原子力開発利用長期計画について、科学技術庁が一般からの意見を募ったのは、この二月。三月はじめに「ご意見をきく会」も開かれた。
これと佐藤委員の発言とは、直接の関わりはないだろう。むしろ、直接の関わりなしに共通する考えが示された点に、意義を見出したい。その上で、科学技術庁の意見聴取のやり方は、「国民と一緒に考える」心構えからほど遠い、と断じざるをえない。
長期計画の改定を闇雲に急ぐ理由はないのだ。時間をかけて、国民と言わず、あらゆる人と一緒に考えることをしてはどうか。形の上で「決定プロセスに参画する」にとどまらず、原子力開発を根本から問い直すことが必要である。
「国民と一緒に原発推進」というのでは困りますものね。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:54