「風車」-第一九九号(一九九四年一〇月)
関西電力は九月六日、美浜3号炉、高浜1、2号炉の原子炉容器の上蓋を交換することを発表した。フランスやスウェーデンなどの原発で数年前から、上蓋を貫通している管のひび割れが見つかり出し、大きな問題になっていたが、関電では、ひび割れは起きていないが予防保全的に取り替えることにした、という。
一方、東京電力では、五月二十九日に福島第二3号炉のジェットポンプ支持梁の折損、六月二十九日には福島第一2号炉の炉心シュラウドの損傷発見があった。これらも各国の原発で、同じ事故が続発している。いよいよもって老朽化が深刻化してきた、と言えそうだ。
そのことは、直ちに経済性の問題にはね返る。ジェットポンプの交換費用、シュラウドの補修費用は明らかにされていないが、蒸気発生器の交換は一基二百~三百億円、原子炉容器上蓋の交換は同じく三十億円。過酷事故の対策にも、一基につき数億円から十数億円がかかるらしい。あれやこれやと積み重なっていけば、へたをすると当初の建設費に匹敵する補修費になりかねない勢いだ。
もう十年以上も以前に、日本原電の浅田忠一常務(当時)が敦賀原発のことを、「いくら償却しても簿価が下がらない。建設後に金のかかった発電所」と語っていた。いまや、すべての原発に同じことが言えそうだ。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:56