「風車」-第二〇四号(一九九五年三月)
役員が会社に与えた損害を賠償させるため、会社に代わって株主が裁判所に訴える「株主代表訴訟」は、九三年の商法改正で、八千二百円の提訴費用で訴えが起こせるようになった。株主の権利を強化し、役員による会社の私物化を防ぐのが、その趣旨である。
ところが二月二十八日、名古屋地裁は、反原発の株主が電力会社の役員を訴えるのなら一億四千八百万円の担保を差し出せという、とんでもない決定を下した。「悪意ニ出デタ」訴えだから、被告=役員側が逆に不当訴訟の損害賠償を求めたときの支払い確保の必要がある、というのだ。これは、事実上、裁判を起こす権利の否定に等しい。
「芦浜原発計画株主代表訴訟」と呼ばれるこの裁判の経過については、本紙九四年五月号、七月号などを参照されたいが、名古屋地裁の決定を読むと、もってまわった言いわけと、おそろしく乱暴なこじつけに目を疑い、次いで怒りがこみ上げてくる。古和浦漁協への二億円の「預託金」支出が違法だとする訴えの正当性は、認めざるをえない。しかし、原告が求めている六十二億円の損害賠償のうち、二億円にすぎない! しょせんは反原発の企図からの訴えだから、全体として不当──と言うのだから、凄まじい。
原告団・弁護団は、「最低最悪の決定」だとして、名古屋高裁に即時抗告を行なった。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 00:58