「風車」-第二一四号(一九九六年一月)
御用納めの十二月二十八日、岐阜県庁で、超深地層研究所建設の協定書調印が強行された(3面記事参照)。
動燃から出向いたのはアノ大石博理事長、と聞いて仰天。「もんじゅ」のナトリウム火災で「これ以上情報が隠されていない、と断言する自信はなくなった」と述べ、「動燃の体質が根っこにあると思う」と語った人物である。
組織を掌握できていない理事長が、自ら信用していない組織を代表する二重の信頼性のなさ。始めから反故同然の協定書の調印は、茶番ですらない。
さて、右の動燃理事長談話が無責任発言ナンバーワンかと思っていたら、なかなかそうでもなさそうだ。原子力委員会の伊原義徳委員長代理が言う。「プルトニウムとウラン濃縮にかかわってきた動燃は、情報を公開しないよう国際的にも圧力を受け続けてきた。それが、組織の体質として染みついてしまったのだろうか」。
プルトニウムやウラン濃縮にかかわる以上、情報の非公開は当然のこと、と原子力委員会は勝手に決めこんできた。情報隠しと切り離せないことを明らかにし、それでもプルトニウム利用・原子力利用をつづけるか否かを国民に問うたことは一度もない。委員長代理の言は、動燃だけを悪者にして済ませられないことを示している。
問題は動燃の体質に非ず、原子力そのものの本質にあるのだ。(西尾)
Posted by 編集部 at 2004年01月22日 01:01